化学辞典 第2版 「電位差滴定」の解説
電位差滴定
デンイサテキテイ
potentiometric titration
当量点付近における指示電極の電極電位の変化から,滴定の終点を決定する容量分析の総称.次の各種の滴定法に分類される.
しかし,狭義にはゼロ電流電位差滴定をいう.滴定容器内に適当な指示電極と基準電極を挿入し,両電極間の電位差を測定しながら滴定を行う.測定した電位差を縦軸にとり,滴定液の体積を横軸にとって描いた滴定曲線は,当量点の近傍でいちじるしい変化を示し,簡単な可逆系ではその変曲点が当量点に一致するので,変曲点を求めて終点とすることができる.しかし,反応の種類によっては,変曲点は必ずしも電位変化の中央にあるとは限らず,また不可逆系では当量点は変曲点と一致しないので補正を要する.中和滴定,酸化還元滴定,沈殿滴定,錯滴定,非水溶媒滴定などに広く用いられる.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報