フラストレーション耐性(読み)フラストレーションたいせい(その他表記)frustration tolerance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フラストレーション耐性」の意味・わかりやすい解説

フラストレーション耐性
フラストレーションたいせい
frustration tolerance

ドイツの心理学者 S.ローゼンツワイクによって,「不適切な反応方式に訴えることなく,フラストレーション (欲求不満 ) に耐えうる個人能力」と定義された概念。同じ状況におかれても,フラストレーション反応を起すか否かは個人によって異なり,その耐性発達によるだけでなく,学習結果に応じて強化されるものといわれる。一般に耐性の高い人は,理性的に忍耐強く問題を処理しうるが,不安状態の強い人はフラストレーションを起しやすい。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフラストレーション耐性の言及

【フラストレーション】より

…さらにローゼンツワイクS.Rosenzweigはフラストレーション状態における反応様式を分類し,要求固執型,障害優位型,自我防衛型とし,攻撃の向かう方向を外罰,内罰,無罰に分類して,これらの組合せによって人格を記述する方法を考えた。彼はまた,フラストレーション状態にありながら,心理的不適応にならずに耐える能力が人間にあることを認め,それを〈フラストレーション耐性frustration tolerance〉と呼んだ。フラストレーションをすぐに不適応と結びつけ,その状態をなるべくつくらないほうがいいと考えるのではなく,フラストレーション耐性を作るような子どもの育て方をするほうが望ましいと現在では考えられている。…

※「フラストレーション耐性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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