フランス装(読み)フランスソウ

デジタル大辞泉 「フランス装」の意味・読み・例文・類語

フランス‐そう〔‐サウ〕【フランス装】

装本の一。綴じただけで裁断せず、縁を折り曲げた紙表紙などをかぶせた装本。ペーパーナイフでページごとに切って読む。本来は、愛書家が自分用に装丁し直すためのもの。フランスとじ。

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精選版 日本国語大辞典 「フランス装」の意味・読み・例文・類語

フランス‐そう‥サウ【フランス装】

  1. 〘 名詞 〙 仮製本一つ。紙の四方を折り返し、ボール紙裏うちしない表紙で、糸綴じした中身をくるみ、断裁されていない小口天地をペーパーナイフで切る。日本では一般に仕上げ断ちした中身をくるむ。愛書家がこれを本製本に改装することを予想して考え出されたもの。

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世界大百科事典(旧版)内のフランス装の言及

【装丁(装幀)】より

…薄い一枚続きの紙で中身をくるんだだけの〈仮とじ本〉を買い,アンカットのページを自分で切り開きながら読み,読み終わったものを蔵書として個人的に革装本に仕立てさせるという習慣は,20世紀に入っても続いていたし,現在でも文学書の多くは仮とじ本のまま売られている。中身の2倍よりずっと大きい紙の天地左右をなかに折りこみ,細くチリが出るようにして表紙にしたものを〈フランス装〉と呼ぶのは,これがフランスの仮とじ本の形の一つとして用いられているからである。
[日本]
 7世紀のはじめに中国から製紙法を伝えられた日本の書物造型の歴史は,中国と同じ流れをたどる。…

※「フランス装」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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