日本大百科全書(ニッポニカ) 「フーゼスターン」の意味・わかりやすい解説
フーゼスターン
ふーぜすたーん
Khūzestān
イラン南西部の州。面積6万3213平方キロメートル(2000)、人口450万6816(2002推計)。同国の石油開発の中心地で、州都アフワーズのほかアバダーン、フニーンシャフル、マスジェデ・ソレイマーンなどの都市がある。カールーン川の流域平野で、古代には都市国家エラム王国が成立した。当時よりカールーン川からの水路網が整備され、ササン朝下ではシャープール1世によって大堰堤(えんてい)が建設され、西アジアの穀倉地帯の一つとなり、イネ、サトウキビの栽培が始まり、イスラム時代にはバグダードの野菜供給地となった。13世紀にモンゴルの侵入により、灌漑(かんがい)施設が破壊され荒廃した。20世紀初めに石油が発見され、大油田地帯となった。住民はアラブ人が多い。
[岡﨑正孝]