日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ブレイン(John Gerard Braine)
ぶれいん
John Gerard Braine
(1922―1986)
イギリスの小説家。ヨークシャーの生まれ。本屋や家具店、工場などを転々としたのち図書館に勤める。1957年『上流階級の部屋』(邦訳名『年上の女』)を発表。一躍注目された。これは、労働者階級出身の青年が富と権力にあこがれ、彼を愛する年上の女を自殺させてまでも、上流社会の娘と結ばれるという物語で、いわゆる「アングリー・ヤングメン(怒れる若者たち)」の1人と目されるに至った。ほかに続編の『上流の生活』(1962)、『朝までいっしょに』(1970)などがある。
[山中信夫]
『福田恆存訳『年上の女』(1959・河出書房新社)』▽『河野一郎訳『朝までいっしょに』(『現代世界の文学』所収・1977・集英社)』