ヘビノネゴザ(蛇の寝御座)(読み)ヘビノネゴザ(英語表記)Athyrium yokoscense

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ヘビノネゴザ(蛇の寝御座)
ヘビノネゴザ
Athyrium yokoscense

オシダ科のイヌワラビ属の夏緑性シダ植物で,カナクサともいう。葉の形に変化が多い。アジア東部の温帯から暖帯に広く分布し,山地の日の当るところから林下まで種々の環境に生える。また鉱山の跡など重金属の多い土壌にも生えるので,最近公害問題と関連して注目されているシダである。根茎は斜上し,長楕円形の葉を叢生する。葉は長さ 50cm前後に達し,葉身は2回羽状に深裂,複生し,小羽片の縁には鋸歯がある。葉柄の下部に披針形ないし線形褐色または黒褐色で辺が淡褐色になる鱗片が密につく。胞子は両面体型。別名のカナクサは,鉱山などにも生えることによる名である。

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