ヘラス(読み)へらす(その他表記)Hellas ギリシア語

デジタル大辞泉 「ヘラス」の意味・読み・例文・類語

ヘラス(〈ギリシャ〉Hellas)

ギリシャテッサリアに住んだ部族名。また、その居住地名。
ギリシャ全土を古代ギリシャ人がよんだ名称。現在でもギリシャの意味文語として用いられる。→エラザ

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精選版 日本国語大辞典 「ヘラス」の意味・読み・例文・類語

ヘラス

  1. ( [ギリシア語] Hellas ) もとギリシア半島北東部(テッサリア)の一部族、また地方名。のちにギリシア全土をさす語として古代ギリシア人が用いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘラス」の意味・わかりやすい解説

ヘラス
へらす
Hellas ギリシア語

古代ギリシア人の、自らの地ギリシアに対する呼称。初めはテッサリア南部のフティオティス地方の一部をさし、またエペイロスゼウスの聖地ドドナDodona付近の地もそうよばれたらしい。ドーリス人などの南下とともに使用範囲が広がったと考えられ、ペロポネソス半島より北のギリシア、ついでヘシオドス以降、テッサリア、エペイロス以南のギリシア本土全体の呼び名となった。現代ギリシア語ではエラスEllasまたはエラダElladaという。

[清永昭次]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ヘラス」の解説

ヘラス
Hellas

ヘレネスの居住地で,もとテッサリアの一部をさしたが,前7世紀頃ヘレネスが全ギリシア人をさすに至ると,ヘラスは中部以北のギリシア本土を,さらには全ギリシアをさすようになった。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ヘラス」の解説

ヘラス
Hellas

古代ギリシア人がみずから国土を総称して用いた名称
元来は古代ギリシアの南テッサリアの一地名であったが,前7世紀ごろからギリシア人はみずからの国土をヘラス,みずからをヘレネス(Hellenes)と呼んで異邦人であるバルバロイと区別し,民族的なつながりを強めた。

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百科事典マイペディア 「ヘラス」の意味・わかりやすい解説

ヘラス

ヘレネス

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世界大百科事典(旧版)内のヘラスの言及

【ギリシア】より

…古代ギリシア語でヘラスHellas,現代ギリシア語では綴りは変わらないがエラスと発音する。ラテン語ではグラエキアGraecia,現代ヨーロッパ語ではラテン語に由来するものが多いが,ギリシア語に由来する語も併用されている。…

【デウカリオン】より

…水が引いてから,人類の回復を願う二人に,母の骨を背後に投げよとの託宣があり,これを石と解した二人が肩越しに石を投ずると,デウカリオンの投げた石は人間の男に,ピュラのそれは女になった。こうしてギリシア人の祖先たるヘレンHellēnが生まれたことにより,古代のギリシア人はみずからをヘレネスHellēnes,国土をヘラスHellasと称するようになったという。【水谷 智洋】。…

【ヘレネス】より

…古代ギリシア人が自己の民族の総称として用いた名称。その住む国土はヘラスhellasと呼ばれた。ホメロスやヘシオドスの詩で,まず〈パンヘレネスpanhellēnes〉という語が用いられ,やがて〈ヘレネス〉だけでギリシア民族を指し,異民族を指すバルバロイと対立する概念となった。…

※「ヘラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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