ヘン・サムリン(読み)ヘンサムリン

百科事典マイペディア 「ヘン・サムリン」の意味・わかりやすい解説

ヘン・サムリン

カンボジアの政治家。1959年以来,共産主義革命運動に身を投じたが,ポル・ポト派の台頭で反主流派となり,ベトナム亡命。1978年にカンボジア救国民族統一戦線を率いてベトナム軍とともにカンボジアに侵攻。ポル・ポト政権を打倒し,1979年1月にカンボジア人民革命党(のちのカンボジア人民党)を率いて親ベトナムのヘン・サムリン政権(カンボジア人民共和国)を誕生させた。その後,ポル・ポト派シアヌーク派,ソン・サン派との内戦を経て,1991年10月パリ和平合意を成立させた。同年カンボジア人民党名誉議長,1998年下院第一副議長。
→関連項目カンボジアフン・センベトナム

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世界大百科事典(旧版)内のヘン・サムリンの言及

【カンボジア】より

…77年12月にはベトナムと断交し,国境紛争が激化した。 粛清されずに残った親ベトナム派勢力は78年12月にカンボジア救国民族統一戦線を結成し,ベトナム軍に支援されて,79年1月,プノンペンを占領,カンボジア人民共和国(ヘンサムリンHeng Samrin政権)が成立した。ポルポト派勢力はタイ国境地帯で反ベトナムのゲリラ戦を続けながら,82年7月にはシアヌークなどの第三勢力を含めた反ベトナム3派による連合政府を発足させた。…

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