ベッリーニ(Jacopo Bellini)(読み)べっりーに(英語表記)Jacopo Bellini

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ベッリーニ(Jacopo Bellini)
べっりーに
Jacopo Bellini
(1400ころ―70ころ)

イタリアの画家ベネチア派始祖で、ベッリーニ一族の長として知られる。ベネチアに生まれ、同地に没。ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノに師事し、ベネチア絵画伝統の東方ビザンティン様式と師の国際ゴシック様式融合を図り、北イタリア各地で活躍、ベネチア派の色彩主義を特色とする画風の基礎を確立した。一時パドバに工房をもち、同地に滞在していたドナテッロの影響を受け、また晩年には女婿マンテーニャや息子ジョバンニらの感化を受け、ルネサンス的な画風を示す。現存する絵画作品は数少なく、ルーブル美術館と大英博物館に残る『素描帖(じょう)』が彼の画業を知るうえで貴重な資料となっている。

三好 徹]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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