日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペチェルスカヤ大修道院」の意味・わかりやすい解説
ペチェルスカヤ大修道院
ぺちぇるすかやだいしゅうどういん
Киево‐Печерская Лавра/Kievo-Pecherskya Lavra
ウクライナの首都キーウのドニプロ(ドニエプル)川岸の丘にある修道院。ウクライナ語ではペチェールシク大修道院。谷間の洞窟(どうくつ)に修道士たちが住みついたのが起源となり、ロシア最初の修道院として11世紀中ごろに成立した。洞窟の上には御堂がつくられ、聖僧たちのミイラが多数安置されており、昔も今も民衆の絶大な信仰を集めている。正門を兼ねるトロイツカヤ聖堂(1108)をはじめ、広い敷地内に多数の建物があり、金色のクーポラ(ねぎ坊主状の円屋根)が並び立っている。現在はロシア正教のウクライナ本部になっており、一部は歴史的建造物として公開されている。1990年に同市内にある聖ソフィア大聖堂と関連の修道院建築物とともに、世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。
[紅山雪夫]