日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペトルス・ペレグリヌス」の意味・わかりやすい解説
ペトルス・ペレグリヌス
ぺとるすぺれぐりぬす
Petrus Peregrinus
生没年、生地など不詳。13世紀に磁石の本性とその応用について、初めて本格的に研究した学者。ピエール・ド・マリクールPierre de Maricourtの名でも知られる。残された著作は『磁石について――ペレグリヌスの信書』(1269)で、31の筆写本が存在する。内容は2部からなり、10章からなる第1部では、天然磁石のさまざまな性質、両極の存在、鉄の磁化、磁石の原因などが論じられ、後のW・ギルバートの「テレラ」(球状磁石のモデル)と同様のものをつくっている。3章からなる第2部では羅針盤や磁石を用いた車の回転など実際的応用について述べている。
[高山 進]
[参照項目] |
|