ペラギウス主義(読み)ぺらぎうすしゅぎ

山川 世界史小辞典 改訂新版 「ペラギウス主義」の解説

ペラギウス主義(ペラギウスしゅぎ)
Pelagianism

ブリタニア(イングランド)の修道士ペラギウス(360?~420?)の唱えた異端説。400年頃ローマで,人間自由意志を強調して原罪幼児洗礼を否定する説を立てて一派をなし,410年以後アフリカで同説を広め,パレスチナにも宣伝した。これに対しアウグスティヌスヒエロニュムスとが,それぞれ正統教理の立場から反論を加えた。431年エフェソス教会会議で排斥された。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のペラギウス主義の言及

【ペラギウス】より

…イギリス(おそらくアイルランドでなくブリテン)生れの修道士。いわゆるペラギウス主義Pelagianismの創唱者。ローマに行き司祭に叙任されず平信徒として聖書を講義していたが,洗礼以外の恩恵をみとめず,自由意志による救済をとなえたことで異端とされた(399および418)。…

※「ペラギウス主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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