ホームグロウン・テロリズム(読み)ほーむぐろうんてろりずむ(英語表記)homegrown terrorism

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホームグロウン・テロリズム
ほーむぐろうんてろりずむ
homegrown terrorism

国外のテロ組織が潜入して行うのではなく、過激思想に共鳴した個人が自分の居住する国で行うテロリズム。2013年4月15日にアメリカのボストン市民マラソンのゴール地点付近を襲った爆弾テロは3人が死亡、282人が負傷するという大惨事となった。犯人である兄弟はチェチェン(ロシア南西部)からの移民とはいえアメリカで教育を受けて育ってきた若者であった。インターネットなどを通じてイスラム過激派の思想に共鳴し、アメリカ市民を標的とする爆弾テロを実行したとみられている。外国から潜入するテロリストに対しては、空港におけるチェック強化など水際対策ができるが、ホームグロウン・テロリストは一般市民のなかから生み出され、突如としてテロを行うため、効果的な対策をとるのがむずかしい。アメリカだけでなく、イギリス、スペインなどヨーロッパ各国で頻発している爆弾テロもホームグロウン・テロが多い。アルカイダなどのテロ組織も、インターネットなどを通じて共鳴者に接触し、支援を行っているとみられている。[編集部]

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知恵蔵miniの解説

ホームグロウン・テロリズム

国外の過激派組織に同調し、自分の生まれ育った国内で起こすテロ行為。特に、欧米諸国に居住する者がイスラム圏の過激派の影響を受け居住国で行うものをいう。アルカイダ、イスラム国(IS)、アラビア半島のアルカイダ(AQAP)などの過激派組織が、機関誌やインターネットにより主義主張や武器の製造方法などを発信、欧米各国における自発的なテロ実行を呼びかけるようになり、2000年以降発生するようになった。ホームグロウン・テロリストによるものとされる主な事件に、スペイン・マドリードでの列車同時爆破テロ(04年3月)、イギリス・ロンドンでの地下鉄・バス爆破事件(05年7月)、アメリカでのボストンマラソン爆弾テロ事件(13年4月)、フランス・パリでの新聞社襲撃テロ事件(15年1月)などがある。

(2015-11-17)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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