ホール(Edward T. Hall)(読み)ほーる(英語表記)Edward T. Hall

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ホール(Edward T. Hall)
ほーる
Edward T. Hall
(1914―2009)

アメリカの文化人類学者。コロンビア大学で哲学博士号をとり、その後、海外派遣要員の教育その他にあたり、イリノイ工科大学を経てノースウェスタン大学教授を務めた。非言語コミュニケーション、文化間コミュニケーションが専門であり、「プロクセミックス」Proxemicsとよばれる学問を提唱した。これは空間に対してそれぞれの社会集団が与える意味には一定体系秩序があるとするもので、これにより、他人との間合いのとり方や、都市空間のつくり方など、人間の空間的行動も、文化ごとの秩序が反映されるとした。おもな著書として『沈黙のことば』(1959)、『かくれた次元』(1966)などがある。

[豊田由貴夫 2019年1月21日]

『國弘正雄・長井善見他訳『沈黙のことば』(1966・南雲堂)』『日高敏隆・佐藤信行訳『かくれた次元』(1970・みすず書房)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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