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マスター遺伝子 ますたーいでんし master gene

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知恵蔵2015の解説

マスター遺伝子

生物の個体発生において、他の一群の遺伝子に連鎖的な反応を引き起こし、特定の形質の形態形成を制御する遺伝子。多数のマスター遺伝子が見つかっているが、いずれも共通して、ホメオボックス呼ばれる180塩基対からなる特別な塩基配列をもつので、ホメオボックス遺伝子、略してホックス遺伝子とも呼ばれる。マスター遺伝子が作るのは転写因子と呼ばれるたんぱく質で、これが次の遺伝子のプロモーター領域に結合し、DNAからRNAへの転写を活性化したり抑制したりするとともに、別の転写因子を作らせ、それがまたその次の遺伝子の転写を制御するという形で連鎖的な遺伝子の発現が起こる。マスター遺伝子の多くは、異なった生物間でも共通しており、ショウジョウバエとヒトの間にも同じマスター遺伝子が存在する。代表的なマスター遺伝子としては、胚の極性を決めるビコイド遺伝子、筋肉の発生を制御するMyoD遺伝子、中枢神経の発生を制御するPax遺伝子、眼の形成にかかわるPax6遺伝子、気孔の形成にかかわる植物のMUTE遺伝子などがある。

(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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