ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーザンダラーン州」の意味・わかりやすい解説 マーザンダラーン〔州〕マーザンダラーンMāzandarān イラン北部,カスピ海に面する州。州都はサーリー。カスピ海沿岸の低地と,エルブールズ山脈山腹の高地とから成り,海岸平野は沼沢地が目立つ。山麓には砂礫性の広大な扇状地が広がる。気候は一年を通じて亜熱帯的で湿度が高く,夏季はきわめて暑い。穀物,綿花,てんさい糖,果物を産する。高地での傾斜は,西部では急であるが,東部ではゆるやかである。森林はほとんど破壊されている。さらに高所では夏の牧草が育てられ,その間に,冬には一部住民が引払う村落が点在する。イノシシ,シカ,鳥類も多い。アトラク川,ゴルガーン川など川が多く,いずれもマスやサケが豊富である。住民はイラン系種族に属し,チュルク語系諸族,特にトルクメン人,アルメニア人,ロシアからの移民が多数混在する。海岸平野諸都市と東のゴルガーンは,イラン縦貫鉄道でイラン高原と結ばれている。カスピ海沿岸には良港が少く,沈泥に悩み,水運はふるわない。面積4万 6645km2。人口 341万 9346 (1986) 。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by