ムハンマド(5世)
むはんまど
Mohammaad b. Youssef
(1909―1961)
モロッコの国王(在位1927~61)。アラウィ朝の正統に生まれ、18歳で父ユースフを継いでスルタンに即位した。モロッコ民族運動の象徴としての役割を果たし、1953年に植民地政府によっていったん廃位され国外に追放されたが、民族運動の高揚を背景に55年に帰国し復位した。56年の独立後57年に称号を国王と改めたが、「信徒の長」という称号は維持した。61年に死去し、皇太子ハッサン2世が王位を継承した。民族運動の父としていまなお国民から敬愛されている。
[宮治一雄]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例