メコン川デルタ(読み)メコンがわデルタ(その他表記)Mekong Delta

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メコン川デルタ」の意味・わかりやすい解説

メコン川デルタ
メコンがわデルタ
Mekong Delta

ベトナムではクーロン川デルタ Chau Tho Cuu Long Giangという。メコン川の沖積作用により形成された広大なデルタで,ベトナム南部を中心にカンボジアにかけて広がる。総面積約6万 km2。デルタはきわめて低平で,河口から約 80km上流のカントーで標高 1m,カンボジア国境近くのチャウドクでも 3mにすぎない。このため雨季の増水は著しいが,この増水を巧みに利用して稲作が行われる。栽培方法は水位の高さに応じて異なり,河口に近い地域では雨季1回移植栽培が,ロンスエンを中心とするカンボジア国境寄りのドンタプムオイと呼ばれる湿地帯では浮稲栽培が,そしてカントーを中心とするその中間の地帯では2回移植栽培が行われている。二期作はロンアン省にみられるが,ここはむしろドンナイ川デルタに属するとみなされるので,メコン川デルタでは二期作はないと考えられる。デルタにはメコン川本流およびそれから分岐した分流を結ぶ運河が縦横に走り,物資の運搬や交通の便はきわめてよい。これらの川や運河はまた淡水魚の宝庫で,漁業は農業に次ぐ重要な産業となっている。

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