モレロス州(読み)モレロス(英語表記)Morelos

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モレロス州」の意味・わかりやすい解説

モレロス〔州〕
モレロス
Morelos

メキシコ中部内陸の州。州都クエルナバカ。連邦区 (首都地域) の南に接する州で,メキシコ高原の南斜面に位置する。地形はいくつもの山脈によって分断され,多くの谷が形成されているため,面積のわりに気候が多様で,山地高所の寒冷湿潤気候から,河谷低所の亜熱帯性気候まで含む。バルサス川の右岸支流アマスサク川の流域に属する。メキシコで最も豊かな農業州の一つで,サトウキビ,米,トウモロコシ小麦,果実,野菜などを産する。鉱物資源 (銀,辰砂,鉄,鉛,金,石油,石炭) は豊富に埋蔵されていると考えられるが,開発はあまり進んでいない。住民にはインディオメスティーソが多い。インディオの遺跡ソチカルコは 1999年世界遺産の文化遺産に登録。文化人類学者 R.レッドフィールドの研究対象となったインディオの集落テポストランなどがある。州名はメキシコ独立運動の指導者 J. M.モレロス・イ・パボンにちなむ。メキシコ革命時に E.サパタに率いられた農民軍が蜂起した地として知られる。面積 4950km2。人口 119万 5381 (1990推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android