クエルナバカ(読み)くえるなばか(英語表記)Cuernavaca

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クエルナバカ」の意味・わかりやすい解説

クエルナバカ
Cuernavaca

メキシコ中部,モレロス州の州都。メキシコ市の南約 60km,アフスコ山地のクエルナバカ谷にあり,標高約 1540m。かつてはインディオのトラウイカ族の中心集落で,クアウナワク Cuauhnáhuacと呼ばれていたが,1521年頃スペイン人のメキシコ征服者 H.コルテスに占領されるとともに現市名に改称。周辺の農業地帯の商工業中心地で,トウモロコシ,豆類,小麦,果実,花,蜂蜜などを集散し,瓶詰製粉セメント織物などの工業がある。市内には現代メキシコの画家 D.リベラの壁画で装いを新たにしたコルテスの宮殿 (1531頃) ,大聖堂 (29) などの古い建築物が残っている。気温 10~27℃で,雨季でも毎日太陽の輝く快適な気候に恵まれるため,首都その他から観光,保養に訪れる人が多く,市内外には富裕階級の人々の別荘も多い。モレロス自治大学 (1939) 所在地。近くにインディオの遺跡テオパンソルコやテポステコ,インディオの集落テポストランなどがある。人口 28万 1752 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クエルナバカ」の意味・わかりやすい解説

クエルナバカ
くえるなばか
Cuernavaca

メキシコ中南部、メキシコ中央高原にある観光・保養都市。モレロス州の州都。メキシコ市の南80キロメートル、標高1542メートルに位置する。人口32万7162(2000)。1530年メキシコの征服者コルテスが建設した町で、コルテス宮殿、日本二十六聖人殉教の壁画があるカテドラルボルダ庭園など、植民地時代の旧跡がある。街には南国の花に彩られた邸宅庭園が並び、花園の町として有名で、老後を楽しむアメリカ人の居住者が多い。日系の自動車工場がある。近郊にアステカ文化の影響を色濃く残すインディオの村テポストランTepoztlán、温泉保養地のオアステペックOaxtépec、ソチカルコ遺跡、カカワミルパ大鍾乳洞(しょうにゅうどう)などがある。ソチカルコ遺跡は1999年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[高木秀樹]

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