改訂新版 世界大百科事典 「ライナルディ」の意味・わかりやすい解説
ライナルディ
Carlo Rainaldi
生没年:1611-91
イタリアの建築家。ベルニーニ,ボロミーニ,ピエトロ・ダ・コルトナ以後のローマ・バロック建築を主導。壁体から離れて立つ独立円柱,ドームからの明るい採光などバロック建築の基本的演出手法を発展させる。一方,北イタリア滞在の経験をもつ建築家の父ジロラモGirolamo R.(1570-1665)の影響を受けて,サンタ・マリア・イン・カンピテリ教会では北方的な平面形式を採用し,ローマの建築界に新しい刺激を与えた。同教会および助手を務めたカルロ・フォンタナとの共作になるサンタンドレア教会のファサードは,彫塑的なエディクラを組み合わせた重厚な構成をもち,〈エディクラ・ファサード〉とよばれる。ローマの北の入口ポポロ広場に面する,同一の外観をもつ二つの教会堂(サンタ・マリア・イン・モンテ・サント,サンタ・マリア・デイ・ミラコリ)の設計者としても知られる。
執筆者:日高 健一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報