ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シクスツス5世」の意味・わかりやすい解説
シクスツス5世
シクスツスごせい
Sixtus V
[没]1590.8.12.
イタリア人教皇 (在位 1585~90) 。本名 Felice Peretti (枢機卿時代は Montalto) 。コンベントゥアル会士。対抗宗教改革期の最も偉大な教皇。すぐれた説教者,論客として頭角を現し,1552年ローマに派遣されて注目され,57~60年ベネチア共和国宗教裁判所長,65年スペインへの教皇使節,66年フランシスコ会総会長,代牧として司教に任命され,70年枢機卿となった。教皇としては前任者の残した乱脈を改め,失われた教皇領を回復し,財政を建直した。 86年枢機卿の数を 70名と定め,88年には教皇庁の整備を完了し 15聖省より成る組織を確立した。聖ペテロ大聖堂の円蓋やオベリスク,多くの宮殿,水道などを建設してローマの近代化に努めた。また学問研究でもみずからウルガタ訳聖書のシクスツス版を出した。
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