ラシルド(英語表記)Rachilde

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラシルド」の意味・わかりやすい解説

ラシルド
Rachilde

[生]1860
[没]1953
フランス女流作家。本名 Marguerite Eymery。少女性倒錯を描いて2年の禁錮刑を受けた『ビーナス氏』 Monsieur Vénus (1889) や『性の時』L'Heure sexuelle (98) など,多数作品がある。 1889年,夫アルフレッド・バレットと雑誌メルキュール・ド・フランス』を創刊

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20世紀西洋人名事典 「ラシルド」の解説

ラシルド
Rachilde


1860 - 1953
フランスの作家
本名マルグリット・エムリー。
1889年「ヴィーナス氏」を発表し早熟で性倒錯の少女を描き、同年「メルキュール・ド・フランス」誌を夫アルフレッド・ヴァレットと共に創刊。他に「性の時」(1898年)等の作品があり、ブルジョア的道徳に反逆した悪魔主義的作品が多い。

出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のラシルドの言及

【デカダン派】より

… 1886年,バジュAnatole Bajuが象徴派初期の機関誌《デカダン》を創刊したが,これにはベルレーヌ,マラルメの両大家をはじめとして,R.ギル,ラフォルグ,メリルStuart Merrill,タイヤードLaurent Tailhade,ロランJean Lorrainなども寄稿している。このほかデカダン派の作家として逸すべからざる人物にはモレアス,マンデス,シュウォブ,グールモン,女流のビビアンRenée Vivien,ラシルドRachilde,ベルギーのベルハーレン,ロデンバック,さらに神秘主義者のペラダンなどがいる。 以上のような傾向は文学以外の諸芸術の領域にまで拡大し,また国境の枠を越えてフランス以外の地にも波及したから,この汎ヨーロッパ的な潮流を単に中心地たるパリのみに限定するのは不当であろう。…

※「ラシルド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」