コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ラッセルのパラドックス ラッセルのパラドックス

大辞林 第三版の解説

ラッセルのパラドックス

〘論〙 1902年にラッセルによって発見された集合論の基礎にかかわるパラドックス。「自分自身を含む集合」を考えると矛盾に突き当たることが示される。この矛盾は数学の危機として受けとめられ、その克服を目指して数学基礎論の分野が成立した。

出典|三省堂大辞林 第三版について | 情報

法則の辞典の解説

ラッセルのパラドックス【Russell's paradox】

それ自身は元ではないすべての集合という概念に対する逆理.集合論において集合と類の区別を要求する.これはバートランド・ラッセル(B. Russell)の提出した有名な「理髪師パラドックス」の一般化である.

理髪師のパラドックスとは,

「ある町で,この理髪師は自分のを剃らない人すべての髭を剃る.ではこの理髪師は自分の髭を剃るのだろうか?」

というもの.自分で髭を剃らないのであれば,自分で髭を剃らなくてはならないし,自分で髭を剃るのであれば,自分で髭を剃らない結果となる.

出典|朝倉書店法則の辞典について | 情報

世界大百科事典内のラッセルのパラドックスの言及

【数学基礎論】より

…数学は矛盾のない理論体系と信じられており,諸科学の中でももっとも厳密な論証を誇るものとして,およそそのよって立つ基盤がゆらぐようなことがあろうなどとは考えられなかった。ところが,19世紀末G.カントルによって創設された集合論はまもなく逆理を生じた(パラドックス)。カントル自身が発見した逆理(1899),ブラリ=フォルティの逆理(1897)やラッセルの逆理(1903)がそれである。集合論におけるすこぶる有効な用法ときわめて類似したしかたによって容易にこれらの逆理が導かれるのみならず,同時期に提出されたリシャールの逆理(1905)〈25字以内の字数によっては定義されない最小の自然数は,現にこの文章によって25字で定義されている〉とともに,ほとんど形式論理の範囲内で現れることから数学は重大な危機に陥った。…

【タイプ理論】より

B.A.W.ラッセルが1901年に発見したいわゆる〈ラッセルのパラドックス〉を解決しようとして提出した理論(1908)と,その単純化,制限の解除,および変形の総称。階型理論ともいう。…

【パラドックス】より

…つまりこの集合を第1種としても第2種としてもその反対が帰結されるのである。これをラッセルのパラドックスという。これは順序数や基数の概念も必要としない純粋に論理的なパラドックスで,以後の論理学と数学基礎論の発展に大きな影響を与えた。…

【ラッセル】より

…これとともに数学(解析学)を論理学に還元することをはかる。その成果は《数学の諸原理》(1903)に盛られたが,その出版直前に集合論における重要なパラドックス(ラッセルのパラドックス)を発見(1901)。これはのちの論理学,数学基礎論,意味論の動向に大きな影響を及ぼすものであった。…

※「ラッセルのパラドックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ラッセルのパラドックスの関連キーワードラッセル(Bertrand Arthur William Russell)数学基礎論自己言及性タイプ理論階型理論矛盾

今日のキーワード

主婦休みの日

1、5、9月の25日。年3回。株式会社サンケイリビング新聞社が制定。主婦にはリフレッシュ、ほかの家族には家事を提唱する。年末年始、ゴールデンウィーク、夏休みといった忙しい期間の後に設定されている。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android