日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リード(Carveth Read)
りーど
Carveth Read
(1848―1931)
イギリスの哲学者。ケンブリッジ大学、ドイツのライプツィヒ、ハイデルベルク両大学に学び、ロンドン大学教授となる。イギリス経験論、とくにミルの伝統にたって思索。論理を事実にかかわる学と考え、意識を主客の別が相関的にそこから生まれる唯一の実在とみ、絶対的実在も意識を離れてはありえぬ可能的可感体とみる。倫理学では自己完成説と功利主義の折衷的傾向をみせる。著書に『論理学論』(1878)、『演繹(えんえき)的・帰納的論理』(1898)、『自然的・社会的道徳』(1909)、『人間とその迷信の起源』(1920)など。
[杖下隆英 2015年7月21日]