レイジンソウ(伶人草)(読み)レイジンソウ(英語表記)Aconitum loczyanum

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レイジンソウ(伶人草)」の意味・わかりやすい解説

レイジンソウ(伶人草)
レイジンソウ
Aconitum loczyanum

キンポウゲ科の多年草。日本各地の山地の林下に生える。茎は高さ 40~80cmで直立し,上部に毛を密生する。根は主根があり,地下に直下する。根出葉は柄が長く,5~7裂し全体としてはほぼ五角形に近い。各裂片にあらい鋸歯があり,両面に毛が多い。茎葉は上のものほど小さく3裂状になる。夏の終りから秋に,枝の先に総状花序を出し,柄のある花を 10花ほどつける。花は淡紫色で,左右相称形。萼片5枚は花弁状で,粗毛が密生し,上部の1枚はかぶと状で側方の2枚は広倒卵形,下部の2枚は前方に向って垂れ下がっている。花弁は2枚あって長い柄をもち,上部の萼の頭部内に収まっている。多数のおしべと3本のめしべがあり,花後に3個の独立した袋果となる。トリカブト類と同属であるが,根茎が毎年更新しないことと,花が淡色であまり鮮かでない点でかなり違ってみえる。

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