日本大百科全書(ニッポニカ) 「ロータッカー」の意味・わかりやすい解説
ロータッカー
ろーたっかー
Erich Rothacker
(1888―1965)
ドイツの哲学者。ハイデルベルク大学助教授を経て、1928年ボン大学教授。ヘーゲルからディルタイに至る精神科学史を連関づけた『精神科学序論』(1920)をはじめ、ディルタイ、マイネッケらの影響下に、精神科学基礎論や歴史哲学の領域に業績を残した。とくに、文化を創造する民族精神に注目して、歴史主義の立場をとりながら相対主義の克服に努めた。文化創造的な生の全体性を分析した『歴史哲学』(1934)のほか、『精神科学の論理学と体系学』(1927)、『人間と歴史』(1944)、『精神科学のドグマ的思考方式と歴史主義の問題』(1954)などの著作がある。
[柏原啓一 2018年12月13日]
『エーリヒ・ロータッカー著、谷口茂訳『人間学のすすめ』(1978・思索社)』