ワシーリー・ブラジェンヌイ大聖堂(読み)ワシーリー・ブラジェンヌイだいせいどう(その他表記)Svyatoy Vasily Blazhenny

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ワシーリー・ブラジェンヌイ大聖堂
ワシーリー・ブラジェンヌイだいせいどう
Svyatoy Vasily Blazhenny

ロシア,モスクワ赤の広場南側にある聖堂。現在は博物館でポクロフスキー・ソボールの名で知られる。ロシア皇帝イワン4世戦勝を記念して奉献した聖堂で,建築家ポスニークとバールマによって 1554年に起工され,1560年に完成した。集中式の平面もち外観は高い八角形の尖塔を中心に,礼拝堂本体が形成する 4本の多角塔およびその間に立つ 4本の円塔など九つの塔が林立するユニークな構成である。塔にはひとつひとつ異なる意匠が施されたタマネギ形のドームが載り,外面に多様な色彩が施されている。一部は 17世紀に完成されたが,16世紀のロシア集中式聖堂建築(→集中式建築)の帰結を示す作例として重要である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android