ワンダー(読み)わんだー(英語表記)Stevie Wonder

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ワンダー」の意味・わかりやすい解説

ワンダー
わんだー
Stevie Wonder
(1950― )

アメリカのリズム・アンド・ブルース(R&B)歌手、キーボード、ハーモニカ奏者、ソングライター。ミシガン州サギノー生まれ。本名スティーブランド・モリスSteveland Morris。生まれてまもなく失明する。1953年デトロイトに移住。教会合唱団で歌い、幼時から非凡な音楽才能をみせ、8歳のころにはピアノ、ハーモニカ、ドラムなどを演奏することができた。友人のいとこロニー・ホワイト(有名なR&Bグループ「ミラクルズ」のメンバー)に認められたことから60年にモータウン・レコードと契約。初ヒット『フィンガーティップス』FingertipsPart2)(1963)でポップとR&B両チャートで第1位となる。65年の『アップタイト』Uptightは初ミリオンセラー。

 1970年代に入って、歌曲づくりにジャズやラテン音楽などを導入し、日常生活の感情と思考を新しい黒人意識で内面からも深く描くようになり、ニュー・ソウル音楽を中心に幅広いポップスに強い影響を及ぼした。1973年度グラミー賞では、アルバム『インナービジョンズ』Innervisionsで最優秀アルバム賞、シングル『サンシャインYou Are the Sunshine of My Lifeでポップ男性歌唱賞、シングル『迷信SuperstitionでR&B歌曲賞とR&B男性歌唱賞を受賞した。続いて74年度グラミー賞のR&B歌曲賞を『リビング・フォー・ザ・シティ』Living for the Cityで、R&B男性歌唱賞をシングル『ブギー・オン・レゲエ・ウーマン』Boogie on Raggae Womanで受賞。グラミー賞の受賞歴はアルバム『イン・スクエア・サークルIn Square Circleの85年度R&B男性歌唱賞受賞などを含み計19回にも及ぶ。歌手シリータ・ライトと1970年に結婚(72年離婚)。84年の映画『ウーマン・イン・レッド』のために書いたヒット曲『心の愛』I Just Called to Say I Love Youではアカデミー主題歌賞を受賞している。スパイク・リーが監督した映画『ジャングル・フィーバー』(1991)の音楽を担当して好評を得た。96年グラミー賞特別功労賞を受賞。

青木 啓]

『ジョン・スウェンソン著、米持孝秋訳『スティービー・ワンダー 心の愛』(1987・シンコー・ミュージック)』『景山民夫訳『スティービー・ワンダー詩集』(1987・シンコー・ミュージック)』『Martin E. HornInnervisions ; The Music of Stevie Wonder(2000, 1stBooks Library)』

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百科事典マイペディア 「ワンダー」の意味・わかりやすい解説

ワンダー

米国のソウル歌手。生れつき盲目。5歳から楽器を学んだ。1962年12歳にしてレコードデビュー,天才歌手として人気を博す。その後大学で音楽論を学び,1970年以降《トーキング・ブック》《キー・オブ・ライフ》等次々とヒット・アルバムを発表ソウル・ミュージックリズム・アンド・ブルースの枠におさまらない活動で,現在まで歴代最多回数のグラミー賞を獲得している。

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