デジタル大辞泉
「ドラム」の意味・読み・例文・類語
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ドラム
- 〘 名詞 〙 ( [英語] drum )
- ① 打楽器の一種。洋楽の太鼓のこと。円筒形の金属製または木製の胴の両面に皮を張り、ばちか手でたたいて演奏する。バス‐ドラム(大太鼓)、サイド‐ドラム(小太鼓)、フレーム‐ドラム(タンバリン)、ケットル‐ドラム(ティンパニ)などがある。〔外来語辞典(1914)〕
- ② 中空で円筒形をしている機械の部品。
- [初出の実例]「コンピューターのランプが壁面いっぱいに点滅し、記憶装置(メモリー)のテープやドラムがまわり」(出典:日本沈没(1973)〈小松左京〉三)
- ③ 円屋根の支壁。
- ④ 「ドラムカン(━缶)」の略。
- [初出の実例]「宗は店先のドラムの中にゴムの管を垂らし」(出典:海の光(1949‐56)〈檀一雄〉一)
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ドラム[drums]
ドラム・セットは、ヘッド(ドラムの皮の面、打面)を叩いて(ショットして)音を出すドラム類と、金属でできているシンバル類の2種類のパーツによって構成されている。ドラム類はスネア・ドラム(S.D.)、タムタム(T.T.)、フロア・タム(F.T.)、バス・ドラム(B.D.)の4種類。シンバル類はハイハット(H.H.)、ライド(Ride)、クラッシュ(Crash)の3種類が基本になる。ドラム類はこの4種類のパーツの間で、相対的な高さの違いによる音程バランスが保たれている。絶対的な音程ではないので、演奏者によって好みのバランスがとられるが、これを“チューニング”という。この音程のバランスは、高いものから順にスネア・ドラム、タムタム、フロア・タム、バス・ドラムになる。一般的なドラム譜ではスネア・ドラムよりタムタムを高い音の位置に書くので、実際の音の高さとの違いを正しく認識しておく必要がある。ドラム類はショットした後の余分な残響を消すためにミュートを施すことが多い。スネア・ドラムとタム類はヘッドの振動を吸収するような布やティッシュ・ペーパーを、ガム・テープでヘッド表面に直接貼り付ける。貼り付ける部位や分量などは演奏者の好みによる。またバス・ドラムの場合は、ヘッドに振動を吸収するものを貼り付ける以外に、胴の中に毛布などの厚い布を入れ、これでヘッドの振動を吸収する方法もとられる。ドラム・ヘッドの材質は、プラスチック・フィルムやグラス・フィルムなどの化学製品が使用されている。胴(シェル)はメイプルやバーチなどの木製のほか、スチール、アルミ、ブラスなどの金属製のものがある。シンバルは胴と錫の合金が使われるのが普通だが、メーカーによってこれに少量の銀などを配合しているものもある。基本的な演奏法としては、木製のスティックや針金を束ねたワイヤー・ブラシでヘッドやシンバル本体をショットするものだが、まれにはマレットや手のひらなどを使うこともある。スティックの材質はヒッコリー、オーク、メイプルなどが使われ、それぞれ重さやバランス、粘りなどに違いがある。
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ドラム
どらむ
drum
太鼓のことで、膜鳴楽器のほぼすべてが含まれるが、一部の民族音楽において用いられているスリット・ドラム(割れ目太鼓)のように、体鳴楽器でもこの名のついているものがある。
[藤田隆則]
ドラムの複数形であるドラムズ(日本では普通、ドラムスとよんでいる)は、ジャズやロック・ミュージックなどで用いられるドラム・セットのことをさし、これにはベース・ドラム、スネア・ドラム、トム・トムなど円筒形の膜鳴楽器のほかに、シンバル、ハイハット・シンバルなどの体鳴楽器も含む。以上の各楽器が1個ずつないし複数個置かれて、1人の奏者が両手に持った桴(ばち)(スティック)またはワイヤ・ブラシで演奏する。なお、ベース・ドラムは通常、ペダルを踏んで鳴らし、ハイハット・シンバルも足踏みペダルによって打ち合わせて鳴らす。近年ではシンセサイザー・ドラムと称して、打音を電気信号に変換してさまざまな音色を生成していくドラムズも多用されるようになった。
[藤田隆則]
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ドラム(楽器)【ドラム】
膜鳴楽器の大部分とスリット・ドラム(丸太に溝を彫ったもの)などを含む名称。筒形のいわゆる大太鼓(バス・ドラム,ゴング・ドラム),サイド・ドラム(小太鼓),枠(わく)付のタンバリン,釜形のティンパニなどの種類がある。ジャズやポピュラー音楽でドラムス(ドラム・セット)と呼ばれる組み合わせは,バス・ドラム(ベース・ドラム),スネア・ドラム(サイド・ドラム),トム・トムに体鳴楽器のシンバルが加わる。→打楽器/太鼓
ドラム(単位)【ドラム】
ヤード・ポンド法の質量の単位。一般の計量に用いる(常用)ドラム(dr)と薬品に用いる薬量ドラム(dr ap)がある。1ドラム=1/16オンス≒1.77185g。1薬量ドラム=1/8薬量オンス=3スクループル≒3.8879g。英国ではこの系統の単位は1976年に廃止された。
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ドラム
レーザープリンターで、レーザー光によって感光ドラムに印刷物の像を作るための部品のこと。円筒形になっており、消耗してもすぐ交換できるように、カートリッジ式になっている。
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世界大百科事典(旧版)内のドラムの言及
【太鼓】より
…アフリカの民俗の中では,月・実り・母などの女性的象徴,太陽・再生などの男性的象徴となっているほか,一個の人格と同様に扱われて食物や犠(いけにえ)がささげられたり,悪霊払いにも広く用いられている。世俗的な用途としては権力の象徴として戦場に持ち出され,管楽器とともに用いられて軍楽の基となり,純粋な楽器へと発展していったほか,情報伝達の具ともなった(トーキング・ドラム)。
[構造]
構造の主要部分は,音を生み出すために必要な,膜の緊張を保持する機構と,膜の振動を太鼓の音として特徴づける機能をもつ胴の形態である。…
【オンス】より
…記号はozまたはoz av。分量単位はドラムdram(=1/16oz.記号dr)である。(2)トロイ・オンスtroy ounceは貴金属用の単位で,480グレーンに等しく,約31.103gであり,記号はoz trである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」