日本大百科全書(ニッポニカ) 「キーボード」の意味・わかりやすい解説
キーボード
きーぼーど
keyboard
文字や数字、記号などのキーが、盤上に一定の規則に従って配列されていて、それを押すことで直接入力できる機器のこと。コンピュータの入力機器として使われており、キーに対応した信号が送り出される仕組みになっている。もともとタイプライターに使われている入力装置をキーボードと称する。また、ピアノやオルガンなどの鍵盤、鍵盤楽器の総称でもある。
キー配列には様々な種類があるが、もっとも一般的なのがQWERTY(クワーティー)配列である。アルファベット部分の左上の文字の並びが、順番にQWERTYになっているためそうよばれるが、この配列は19世紀のタイプライター時代から使われている。コンピュータで使われるものとして、かな入力ができるJIS配列の109キーボードと、英数字のみのASCII(アスキー)配列の101キーボードなどがある。キーの並びの配列では、富士通で独自開発した、かな入力の効率化を図った親指シフトのキーボードや、欧文における同様な効果を狙ったDvorak(ドボラック)配列のキーボードもあるが、広くは普及していない。その他、ノートパソコンなどテンキー(数字と演算記号のキーをまとめたもの)のついていないパソコンに取り付けるテンキーのみのキーボード、プログラムで使うファンクションキーやタブキーなどをまとめたキーボードなどの補助的な用途のものから、人間工学に基づいて使用者の入力に際しての負担を軽減したエルゴノミックス・キーボードなどもある。
DOSや以前のWindows環境ではPS/2(IBMが採用した6ピンのキーボード用コネクタでマウスの接続にも使われたもの。IBMパソコンのPS/2シリーズに採用されたためそうよばれる)接続が、初期のMacではADB(Apple Desktop Busの頭文字で、アップルが開発したキーボードなどとコンピュータを接続するための規格。USBのベースにもなった技術)接続が主流だったためそれぞれに互換性がなかった。現在はともにUSB接続がメインになっている。また、ケーブルが要らないワイヤレスタイプなども増えている。
[編集部]