一を知って二を知らず(読み)いちをしってにをしらず

精選版 日本国語大辞典 「一を知って二を知らず」の意味・読み・例文・類語

いち【一】 を 知(し)って二(に)を知(し)らず

(「荘子天地」の「孔子曰、彼仮修渾沌氏之術者也、識其一、不其二。治其内而不其外」による) 一方だけを知って、他方を知らない、狭い見解をいう。

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故事成語を知る辞典 「一を知って二を知らず」の解説

一を知って二を知らず

あることの一面だけは知っているが、ほかの面については知らない。見識が浅いこと。

[使用例] 人は夢を見るものなり、思いも寄らぬ夢を見るものなり、〈略〉夢ならばと一笑に附し去るものは、一を知って二を知らぬものなり[夏目漱石人生|1896]

[由来] 「荘子―天地」の一節から。世間から離れて自然のままの暮らしを送っている人のことを、「の一をりて其の二を知らず(自然のままの心を取り戻すことの大切さは知っているが、その上であえて世間の中で生活することの重要さは知らない)」と評価しています。見かけだけの隠者に対する、痛烈な批判です。

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