一人扶持(読み)いちにんぶち

精選版 日本国語大辞典の解説

いちにん‐ぶち【一人扶持】

〘名〙 江戸時代、主君から家臣に給与される俸祿の一基準。幕府の場合は、一人一日の食糧は玄米約五合、一か月一斗五升を標準とし、これの一年分の米またはそれに相当する金銭。一般に封祿が原則。
※財政経済史料‐二・財政・職俸・役料、役高、役扶持、役金・享保八年(1723)六月一八日「御玄関番拾五俵壱人扶持」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の一人扶持の言及

【食事】より

… ヨーロッパでも18世紀までは正式の食事は1日2食であった地方が多いし,日本でも3食が全国民に普及したのは江戸時代になってからのことである。武士のサラリーの最少単位とされた一人扶持は,1人1日5合の飯米を支給し,それを2.5合ずつ朝夕2度に分けて食べるという前代のたてまえが江戸時代にまで持ちこされたものである。 食事時間や食事回数の変化は,それぞれの社会において階級差,職業差,地方差をもちながら歴史的に変遷してきたことなので,世界における3食化の進行は一般論としてのべるのは困難であるが,巨視的にいうならば近世の文明社会において,照明の発達,普及にともなって,夜の生活時間が長くなったことに原因をもっている。…

【扶持】より

…助ける,援助するの意から転じて,武士が米などを支給して家来や奉公人を抱え置くこと,またはその支給する米をいう。戦国時代以前にも,家臣に米を給することを扶持と呼んでいたが,江戸時代に入って制度的に整い,武士1人1日の標準生計費用を米5合と算定して,1ヵ月に1斗5升,1年間に1石8斗,俵に直して米5俵を支給することを一人(いちにん)扶持と呼び,扶持米支給の単位とした。これは知行(ちぎよう)高5石の蔵米取(くらまいとり)御家人が1年間に受け取る切米(きりまい)に相当する。…

※「一人扶持」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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