改訂新版 世界大百科事典 「一体式構造」の意味・わかりやすい解説
一体式構造 (いったいしきこうぞう)
monolithic construction
柱,梁(はり),床など建物全体を連続する一体の構造物とするもの。可塑的な材料を鋳型(型枠)に注入し成形することによって造られるものなので,原理的にはプラスチック,ガラス,粘土,鋳鉄,アルミなどによる一体式構造も可能である。しかし,居住性,耐震性,耐火性,耐久性,保守などの性能上の条件と,材料の生産,入手,作業現場での施工・管理のしやすさ,確実さなど生産上の条件を考慮すると,一般的には鉄筋コンクリート造などの現場打ちコンクリートによる構造物を指すことになる。一体式構造の特徴は上に述べた現場打ち,一体化した構造のほか,凹凸や曲面をもつ複雑な形状も鋳型しだいで造り出せる造形性のあることである。
→鉄筋コンクリート造建築
執筆者:上杉 啓
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報