所定の形状寸法のコンクリート製品やコンクリート構造物をつくるために用いられる仮の設備。型枠の中にコンクリートを打ち込んでコンクリートが十分に強度を発揮するまで置いておく。コンクリートと直接接する木または金属などの板類であるせき板と,せき板を所定の位置に固定するための仮設構造物である支保工とから成る。せき板の材料には木材,合板,鋼材があり,最近では軽金属やプラスチックなども用いられている。一般に鉱油その他の型枠剝離剤をせき板の内側に塗ってコンクリートとの付着を防いでいる。支保工に用いる材料には木材および鋼材があるが,主として鋼材を用い,一部に木材を用いる例が多い。型枠はコンクリートが凝結および硬化を終えるまで正確な形を維持するように各種の荷重に対し堅牢であるばかりでなく,セメントペーストが漏出してコンクリートの密実さが失われたり,品質が低下したり,あるいは耐久性が失われたりすることがないよう十分な水密性を有していなければならない。また,コンクリートが十分な強度を発現するまで外界の影響からコンクリートを保護する役目を果たすので適度の保温性も必要である。型枠はあくまで仮設物であるから経済性が重視される。そのために資材そのものができるだけ安価であることのほかに,構造ができるだけ簡単で,かつ組立て,解体が容易で,しかもできるだけ多くの反復使用が可能であることが必要である。型枠の取外しは十分に注意して行わないと大事故につながる場合があるので,壁,床などが自重および施工中に加わる荷重を支えるだけの十分な強度に達するまで取り除いてはならない。取外しに際し全体を同時に取り外さず,比較的荷重を受けない部分から外し,重要な部分はあとにまわすことが行われている。
執筆者:長滝 重義
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
建設工事においてコンクリートまたは鉄筋コンクリート構造物を所定の形状、寸法につくるための鋳型の役目をする仮設工作物。型枠の中に打設したコンクリートが硬化し、所要の強度に達すると、型枠は撤去される。
[河野 彰]
出典 リフォーム ホームプロリフォーム用語集について 情報
…金属,合金を溶融し,目的の形状をもつ型(鋳型mold)の空洞に流し込んで凝固させた製品を広義の鋳物と呼ぶ。この意味では,鋳物には,そのままで製品や素形材を得るshaped casting(一般に鋳物と呼ばれる)と,その後,圧延,鍛造などを行うingot casting(インゴット)が含まれることになる。…
…外見的な形態によって一群の菌類に対して与えられた一般名称。キノコやイーストという名称と同様,分類学的な意味はもたない。日本の梅雨ごろから秋にかけての湿度の高いとき,いわゆる〈かびる〉といった現象を起こす菌類(主として糸状菌)を指し,体制の主体は糸状の菌糸細胞であり,そこで形成される各種の胞子もふくまれる。キノコとの差も明りょうなものではなく,糸状に発育したキノコも外見からカビと称されることがある。とくに,家屋土台などに一面に生える木材腐朽性のナミダタケなどのキノコの場合は,まったくカビ状である。…
※「型枠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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