一向寺(読み)いつこうじ

日本歴史地名大系 「一向寺」の解説

一向寺
いつこうじ

[現在地名]宇都宮市西原二丁目

旧日光街道から六道ろくどう町に向かう道の南側にあり、清照山と号し、時宗。本尊阿弥陀如来。建治二年(一二七六)一向上人儀空俊聖の開山で、開基は宇都宮氏七代城主景綱。寺地は宇都宮城内の地蔵堂輪廻じぞうどうりんね寺地と伝える。宇都宮氏の位牌所。この時景綱は田四町歩を寄進したという。その後も代々の宇都宮氏による寄進・保護が続いた。当寺に残る文書によれば、応安元年(一三六八)と思われる一〇月七日には、氏綱より「簗瀬郷内鷺谷給分跡」が与えられている(宇都宮氏綱寄進状)。また応永一八年(一四一一)一一月八日には持綱により、「西刑部郷内平塚村」の代りとして「西方大和田郷半分」が与えられ(宇都宮持綱寄進状)、同年一二月八日には同所と岡本おかもと(現河内郡河内町)内の給分につき諸役が免除されている(宇都宮持綱公事免除状)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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