一庫郷
ひとくらごう
中世の多田庄内の郷村。郷名は近世の一庫村に継承される。正安三年(一三〇一)一〇月二一日の得宗公文所奉行人連署奉書(多田神社文書)に「一庫・国沢両名」とみえ、多田院造営料として正安三年・同四年分の年貢半分を多田院の寺庫に納めるよう両名の給主に申渡している。応安元年(一三六八)四月八日の多田院金堂供養棟別銭注文(同文書)に一庫があり、永和元年(一三七五)七月二五日の多田院諸堂造営料棟別銭郷村注文(同文書)には一庫郷として一六一家分の棟別銭を納めている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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