一時解雇制(読み)いちじかいこせい(その他表記)lay-off system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一時解雇制」の意味・わかりやすい解説

一時解雇制
いちじかいこせい
lay-off system

操業短縮時に事業主が労働組合との協定に基づき将来の再雇用を条件として一時的な解雇を行う制度。アメリカでしばしば行われている制度で,職場別などで先任権が定められ,解雇は新参の者,再雇用は古参者から行われる。日本でもかつて中小企業団体組織法 (昭和 32年法律 185号) のなかに,同法に基づく調整のために従業員を離職させた場合は,優先的に雇い入れるよう努めねばならない旨の規定があった。最気調整期の一時帰休制は日本的レイオフともいわれるが,先任順位がないのでアメリカのレイオフとは異なる。なお,労働基準法により,休業中は平均賃金の 60%以上の補償が義務づけられている。また特定要件を満たす企業は雇用調整助成金の支給対象となる。

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