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一時帰休制 いちじききゅうせい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一時帰休制
いちじききゅうせい

不況によって企業の操業率が低下し,人手が余ったときに,従業員を一時的に休職させる制度。アメリカで行われているレイ・オフ (→一時解雇制 ) とは企業の業績悪化時などに一時的に解雇するものの業績が回復して再び採用を始めるときにはその社員を優先的に再雇用する制度である。解雇の際は勤続年数の少い者から,再雇用のときは長い者からという先任権の順番に基づくことが多い。これに対して日本における一時帰休は従業員を解雇せずに賃金の一定割合を支給しながら業績回復までの間自宅待機させるものである。

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デジタル大辞泉の解説

いちじききゅう‐せい〔イチジキキウ‐〕【一時帰休制】

操業短縮などの場合、従業員を一時的に休職させる制度。この間は休業手当が支払われる。レイオフは一時解雇のことであるが、日本では一時帰休制の意味にも用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一時帰休制
いちじききゅうせい

不況に直面した企業が、労働者を在籍させたまま一定の期間休業させる制度。帰休制と称する場合もある。ただし、使用者が労働者の意思を無視して一方的に雇用関係を解消すること(解雇)のうち、一定期間経過後に経営状態が好転すれば再雇用するという約款をつける一時解雇(レイオフ)とは区別される。一時帰休制は、企業が不況対策として行うものであることから、業務休職の一つの形態である。雇用関係が法的には継続されることから、人員の整理をめぐる労使の紛争や摩擦を回避し緩和することが容易であるという特徴をもつ。この制度は、労働者の就業を予定してはいるが、休業手当の水準、休業期間の程度、就業に際しての能力要素の加味などに関係して、事実上の解雇に道を開くことになる場合もある。
 日本では、1952年(昭和27)の綿紡績業の操業短縮の場合を皮切りに、その後1954年ごろからの石炭、造船、繊維、自動車部品業界における採用を経て、1957年の化学繊維業界でも実施された。
 1975年1月施行の雇用保険法により、景気の変動その他の経済上の理由に基づく事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、一定の要件を充足した事業主に、原則として休業手当相当額の3分の2が、雇用調整助成金などとして支給されることとなった。賃金負担の助成を通して失業を予防する効果が見込まれる。[三富紀敬]

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