不況に直面した企業が、労働者を在籍させたまま一定の期間休業させる制度。帰休制と称する場合もある。ただし、使用者が労働者の意思を無視して一方的に雇用関係を解消すること(解雇)のうち、一定期間経過後に経営状態が好転すれば再雇用するという約款をつける一時解雇(レイオフ)とは区別される。一時帰休制は、企業が不況対策として行うものであることから、業務休職の一つの形態である。雇用関係が法的には継続されることから、人員の整理をめぐる労使の紛争や摩擦を回避し緩和することが容易であるという特徴をもつ。この制度は、労働者の就業を予定してはいるが、休業手当の水準、休業期間の程度、就業に際しての能力要素の加味などに関係して、事実上の解雇に道を開くことになる場合もある。
日本では、1952年(昭和27)の綿紡績業の操業短縮の場合を皮切りに、その後1954年ごろからの石炭、造船、繊維、自動車部品業界における採用を経て、1957年の化学繊維業界でも実施された。
1975年1月施行の雇用保険法により、景気の変動その他の経済上の理由に基づく事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、一定の要件を充足した事業主に、原則として休業手当相当額の3分の2が、雇用調整助成金などとして支給されることとなった。賃金負担の助成を通して失業を予防する効果が見込まれる。
[三富紀敬]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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