一般廃棄物(読み)イッパンハイキブツ

デジタル大辞泉 「一般廃棄物」の意味・読み・例文・類語

いっぱん‐はいきぶつ【一般廃棄物】

家庭商店事務所などから出るごみ。一般ごみ。→産業廃棄物

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一般廃棄物」の意味・わかりやすい解説

一般廃棄物
いっぱんはいきぶつ

1970年制定の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)の用語で,産業廃棄物以外の廃棄物をいう。家庭から出るごみや粗大ごみ以外に,糞尿も含まれる。また商店や飲食店,オフィス,学校など,家庭以外から出る廃棄物も,産業廃棄物として指定されたもの以外は一般廃棄物とされ,事業系一般廃棄物と呼ばれる。廃棄物処理法は,生活環境の保全支障がないように収集処理することを市町村に義務づけている。ごみ処理方法は焼却および埋め立てが大部分であるが,高分子化合物不燃物など処理困難な廃棄物が増加し,加えて最終処分のための埋立地の不足から,各地でごみ処理をめぐる紛争が発生しており,有効利用の方法を見つけて処分量を減らすいわゆる資源の再利用(→リサイクル)がはかられている。なお事業系一般廃棄物は原則として自分で処理することとされているため,許可を受けた処理業者に有料で処理を委託する方法をとっている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

知恵蔵 「一般廃棄物」の解説

一般廃棄物

廃棄物は、家庭が出す一般廃棄物(一廃)と、工場など事業所が出す産業廃棄物(産廃)に分けられる。一廃と産廃については、廃棄物処理法で定められている。産廃は、燃えがら、汚泥廃プラスチック類、鉱さい、建設廃材、畜産農業にかかわる動物死体やふん尿など20種。事業者に処理が義務付けられている。年間排出量は約4億1200万t(2003年度)で、一般廃棄物(5161万t)の約7.9倍。一般廃棄物は家庭ごみと商店やビルなどから出る事業系ごみに分かれ、市町村に処理責任がある。

(杉本裕明 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

世界大百科事典(旧版)内の一般廃棄物の言及

【ごみ】より

…すなわち同法によると,廃棄物とはごみ,粗大ごみ,燃えがら,汚泥,糞尿,廃油,廃酸,廃アルカリ,動物の死体その他の汚物または不要物であって固形状または液状のもの(放射性物質およびこれによって汚染された物を除く)とされ,汚物に代わって廃棄物という新語が使われるようになったのである。同法では廃棄物をさらに2種に分け,事業活動に伴って生じた廃棄物のうち,燃えがら,汚泥,廃油,廃酸,廃アルカリ,廃プラスチック類など19種類の廃棄物を産業廃棄物,産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物と呼ぶことになった。したがって事業活動に伴って生ずる廃棄物でも前述の19種類以外の廃棄物は一般廃棄物とされているが,東京都清掃条例のようにこれを事業系一般廃棄物と呼ぶこともある。…

【廃棄物】より

…事業者は,その産業廃棄物をみずから処理しなければならないことになっている。産業廃棄物以外の廃棄物を一般廃棄物と呼び,市町村が原則として市町村の区域全域を対象として,一定の処理計画を定め,一般廃棄物の処理を行う。 〈廃棄物処理法〉による廃棄物の分類は,必ずしも処理,処分の技術上の観点からなされているわけではないため,次のようないくつかの問題が指摘されている。…

※「一般廃棄物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android