一色別納(読み)いっしきべちのう

精選版 日本国語大辞典 「一色別納」の意味・読み・例文・類語

いっしき‐べちのう‥ベチナフ【一色別納】

  1. 〘 名詞 〙 荘園制において、年貢公事などの租税のうち一種だけの全部を、本来納めるべき領主、あるいは国家以外の者に納入すること。また、その土地
    1. [初出の実例]「為一色別納付権介娘也」(出典烟田文書‐文治二年(1186)正月二一日・源頼朝袖判下文)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

関連語 名詞 実例 初出

世界大百科事典(旧版)内の一色別納の言及

【一色】より

…ただし,実例では年貢(官物)のみを納める場合がほとんどであった。たとえば,一色別納,一色別符といえば,荘園領主あるいは国に対しては年貢(官物)のみを納め,雑公事を免除されていることをいう。また,一色田は,荘園の耕地のうちの荘園領主直属地という意味で用いられることが多いが,これは,名田が年貢・雑公事の双方を負担するのに対して,直属地は年貢のみを負担することに由来する。…

※「一色別納」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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