万座山(読み)まんざやま

日本歴史地名大系 「万座山」の解説

万座山
まんざやま

上信国境、嬬恋村と長野県上高井かみたかい高山たかやま村にまたがる標高一九九四・四メートルの山で、東の白根しらね(二一三八メートル)に挟まれた窪地に万座温泉が湧出する。

広義には東南の本白根もとしらね山・米無こめなし山、西南浦倉うらくら山・四阿あずまや山一帯を含む総称で(文政七年「干俣村明細帳」干俣区有文書)、南北三里ほど、東西二里ほどを指した(同五年「万座山稼由緒書上」干川文書)。麓の村は高所にあって水田も皆無に等しく、生産力の低い村柄のため、万座山一帯は浅間山北麓の南木なぎ山入会地とともに生活を支える場であった(同六年「大前村明細帳」黒岩文書、前掲干俣村明細帳)。寛保二年(一七四二)大笹村明細帳(黒岩文書)によると大笹おおざさ大前おおまえ西窪さいくぼ中居なかい門貝かどがい干俣ほしまたの六ヵ村支配で、麓萱山は今井いまい村・芦生田あしうだ村・赤羽根あかばね村の入会、山預りは大笹村長左衛門、山見干俣村宗兵衛・西窪村文右衛門が勤めた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報