三井高堅(読み)ミツイ タカカタ

20世紀日本人名事典 「三井高堅」の解説

三井 高堅
ミツイ タカカタ

明治〜昭和期の実業家,拓本収集家 三井新町家第9代当主;三井銀行社長;三井呉服店社長。



生年
慶応3年5月22日(1867年)

没年
昭和20(1945)年5月31日

出生地
京都府

別名
別名=三井 源右衛門(ミツイ ゲンエモン),号=聴氷閣

経歴
三井十一家の一つ三井松坂家に生まれ、のち三井新町家の9代目を継ぐ。呉服の御用名前・源右衛門を襲名。明治27年三井呉服店社長となる。42年三井合名設立に伴い同監査役、45年監査部長。大正2年三井鉱山代表取締役、3年三井物産社長、9年三井銀行社長を歴任。一方、美術品の収集家として知られ、書の収集で名高い。特に篆刻家・河井荃盧の強い影響で中国の拓本の収集に情熱を注ぎ、明治36年からは京都から荃盧を東京に招いて本格的に拓本を収集した。中国の戦国〜唐時代名筆家の碑(いしぶみ)からとった碑帖と呼ばれる冊子形式の拓本が中心で、収集品は高堅の号から“聴氷閣本(ていひょうかくぼん)”と呼ばれ、世界屈指の碑帖コレクションとして有名。戦前の旧三井文庫で保管したもののうち大半はカリフォルニア大学バークレー校図書館に“聴氷閣文庫”として収蔵されているが、昭和60年三井新町家で秘蔵してきた聴氷閣所蔵本の中核をなす碑帖が三井文庫に寄蔵され、平成3年初公開された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「三井高堅」の解説

三井高堅 みつい-たかかた

1867-1945 明治-昭和時代前期の実業家。
慶応3年5月22日生まれ。三井新町家9代。呉服の御用名前源右衛門を襲名,明治27年三井呉服店社長となる。大正3年三井物産社長,9年三井銀行社長。昭和20年5月31日死去。79歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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