日本歴史地名大系 「三島野」の解説 三島野みしまの 富山県:射水郡三島野「万葉集」に歌われた原野。巻一七には放逸した愛鷹が「三嶋野を背向に見つつ」飛去ったと歌われ、大伴家持遊猟の地であった。巻一八の矚目詠には「三嶋野に霞たなびきしかすがに昨日も今日も雪は降りつつ」と歌われているところをみれば、国府から遥かに見はるかすことのできる原野だったのであろう。その地名は現在消滅しているが、古代の三島郷(和名抄)の故地と同じ現大門(だいもん)町・大島(おおしま)町から小杉(こすぎ)町にかけての一帯であろうといわれる。「八雲御抄」の「野」の項に採録され、「続拾遺集」「新拾遺集」「新続古今集」などにも歌われた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報