三川権現社(読み)みかわごんげんしや

日本歴史地名大系 「三川権現社」の解説

三川権現社
みかわごんげんしや

[現在地名]香住町三川

三川集落の南方、三川山の北麓、佐津さづ川の源流部左岸に位置する。正式には三川蔵王権現みかわざおうごんげん社というが、一般に三川権現と通称される。大和吉野山(大峯山)・伯耆三徳みとく山と併せて三大権現の一ともいわれる。由緒記(見塚文書)によると天武天皇の時代に役行者蔵王権現社を勧請したのが草創といい、宝亀元年(七七〇)には別当寺の弥勒寺(現高野山真言宗)が建立され、護摩加持祈祷を行ったという。古くから山岳信仰の対象であった三川山が、のちに修験行場となり、彼ら修験者によって蔵王権現が勧請されたものであろう。前掲由緒記は蔵王権現の垂迹神を八千矛神とし、また蔵王権現像三体(伝役行者作)のうち一体が本尊とされる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android