( ①について ) 霊地としての山岳における修行(峰入り)によって超自然的な力を得、それを駆使しようとするもので、それゆえ修行者たちは山伏と呼ばれた。その修行の場である山は密教における金剛界・胎蔵界の曼荼羅になぞらえられ、また成仏の過程とされる十界に充当される独自の修行過程を経て、修行者は自己に本来存する仏性をその身に体得することになる。その修行には、擬似的な死と再生を意味する過程が組み込まれており、修行者は主に大日如来またはその使者である不動明王と一体化し、邪神・邪霊の降伏等にその験力を発揮しうるようになるものとされる。