デジタル大辞泉 「三智」の意味・読み・例文・類語 さん‐ち【三×智】 仏語。3種類の智慧ちえ。智度論では、声聞しょうもん・縁覚えんがくの智である一切智、菩薩ぼさつの智である道種智、仏の智である一切種智。楞伽りょうが経では、凡夫外道の智である世間智、声聞・縁覚の智である出世間智、仏・菩薩の智である出世間上上智。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「三智」の意味・読み・例文・類語 さん‐ち【三智】 〘 名詞 〙 仏語。智慧を三種に分類したもの。経典によって種々の説がある。① 智度論で、声聞・縁覚の智すなわち、すべての存在について概括的に知る一切智、菩薩の智、衆生を教化するために道の種別を知る、すなわち道種智、仏の智、すべての存在について平等の相とともに差別の相を知る、すなわち一切種智の三つをいう。[初出の実例]「法を説き給ふ時は四弁八音の説法は祇園精舎に満ち三智五眼の徳は四海にしけり」(出典:日蓮遺文‐主師親御書(1255))② 菩薩地持経で、いっさいの煩悩を断ずる智である清浄智、いつ、どこでも、どんなことにも障碍のない智である一切智、いっさいのものについてすべて悟っている智である無碍智の三つをいう。③ 楞伽(りょうが)経で、外道・凡夫の智である世間智、自利的な声聞・縁覚の智である出世間智、衆生をも済度する仏・菩薩の智である出世間上々智の三つをいう。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例