三津の魚市(読み)みつのうおいち

日本歴史地名大系 「三津の魚市」の解説

三津の魚市
みつのうおいち

[現在地名]松山市三津一丁目

三津浜みつはまの内港に近接して設置された瀬戸内海屈指の魚市場。魚市の起源については明らかでないが、元和二年(一六一六)の頃魚介類の売買仲介を営む下松屋善左衛門がいたという。ところが業者と消費者との間で売買に当たって紛争が絶えず、負傷者を出すありさまであったので、藩は寛文三年(一六六三)一一月に天野作左衛門・同十右衛門・唐松屋九郎兵衛に三津肴問屋を命ずるとともに、魚市の組織をつくり、その事務を管掌させた。元禄六年(一六九三)三月に改めて下松屋九兵衛・怒和屋七兵衛・安岡与六を生魚問屋としたが、同一五年一月までの間に新たに利屋茂兵衛・唐津屋六郎衛門ら一五名を同役に任じ、その営業権を生魚問屋株一八株として世襲させた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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