精選版 日本国語大辞典 「三陰」の意味・読み・例文・類語
さん‐いん【三陰】
- 〘 名詞 〙
- ① 中国の古代医学で、三陰三陽という経絡(けいらく)の経の名。三陰三陽は経絡を陰陽で説明したもので、手と足にそれぞれ三種の陰陽の経絡があるとされる。三陰は、太陰、少陰、厥陰で、手の三陰は順に肺経(金)、心経(火)、心包経(火)、足の三陰は、脾経、腎経、肝経。→三陽②。
- ② 中国の古代医学で、三陰三陽病という病気の名。原理は「素問」に発するが、薬物療法の原典「傷寒論」で、発病状態を陽(熱性)、陰(寒性)と分類し、病気の進行にしたがって三段階に区別した。太陰病、少陰病、厥陰病のことをいう。→三陽③。
- [初出の実例]「謂二之太陰病或少陰病一。厥者謂二厥陰病一、三陰亦有二表証一」(出典:一本堂行余医言(1788)一九)