陰陽(読み)インヨウ

デジタル大辞泉の解説

いん‐よう〔‐ヤウ〕【陰陽】

中国古代の思想で、天地間にあり、互いに対立し依存し合いながら万物を形成している陰・陽2種の気。日・春・南・男などは陽、月・秋・北・女などは陰にあたる。おんよう。
陰陽師(おんようじ)」に同じ。
電気などの正と負。
漢方で、病気の経過・状態・部位などを示す、陰証と陽証。
生け花の用語。
㋐葉の裏面(陰)と表面(陽)。
㋑花の客位)と主位)。

おん‐みょう〔‐ヤウ〕【陰陽】

おんよう」の連声(れんじょう)

おん‐よう〔‐ヤウ〕【陰陽】

連声(れんじょう)で「おんみょう」とも》
で、相対する概念。陰(いん)と陽。いんよう。
陰陽道(おんようどう)」の略。
陰陽師(おんようじ)」の略。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

百科事典マイペディアの解説

陰陽【いんよう】

古代中国に成立した基本的な発想法。陰は山の日かげ,陽は山の日なたを表し,気象現象としての暗と明,寒と熱の対立概念を生み,戦国末までに万物生成原理となり,易(えき)の解釈学の用語となって,自然現象から人事を説明する思想となった。のち五行説と結合して陰陽五行説となった。現代中国では,伝統医学中医学)の診断・治療に際し,陰陽相対・互根,陰陽消長転化を原理とする全体観的方法を展開して,生理・病理を理解し,治療方針を策定している。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

いんよう【陰陽 yīn yáng】

中国人の世界観を規定するもっとも基本的なカテゴリー。〈〉の二側面をあらわし,陰の気は静,重,柔,冷,暗,陽の気は動,軽,剛,熱,明などをその属性とする。両者交合によって万物が生まれ,その消長によって四季が形成される。両者は対立する二元であるが敵対するものではなく,太極(たいきよく)または道と呼ばれるものによって統合されており,たがいに引きあい補いあう。また,一方が進むと一方が退き,一方の動きが極点にまで達すると他の一方に位置をゆずって,循環と交代を無限にくりかえす。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

いんよう【陰陽】

陰と陽。中国の易学でいう、宇宙の万物に働く相反する性格のもの。天・男・日・昼・動・明などは陽、地・女・月・夜・静・暗などは陰であるという。おんよう。
陰陽師おんようじ。 「『そなたは-か』『いかにも-でござる』/狂言・居杭 虎寛本
電気の陰極と陽極や、磁石の S 極と N 極。
生け花で、植物の枝・茎・葉の裏側(陰)と表側(陽)。また、生け花の空間に定められた陰と陽の側。植物の陰陽を空間の陰陽に合わせて生ける。
[句項目] 陰陽を燮理す

おんみょう【陰陽】

「おんよう」の連声。

おんよう【陰陽】

陰と陽。 → いんよう(陰陽)
「陰陽道」「陰陽師」の略。おんみょう。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の陰陽の言及

【陰陽五行説】より

…中国思想において,陰陽論と五行説とを組みあわせ,宇宙の生成,自然のめぐり,統治のあり方,人体のしくみなど,宇宙から人事にいたるあらゆる現象を説明するのに用いられた理論。さまざまな占いにも応用された。…

【中国哲学】より

…前漢の初期には,秦の弾圧政策の反動として,自由放任の政治を説く道家思想が流行したが,やがて武帝の代になって儒学が官学として採用され,以後2000年にわたる儒教支配の基礎を固めることになった。漢代儒学の特色の一つは,陰陽五行説を取り入れたことにある。陰陽説とは万物が陽気と陰気の2要素から成ると説くもので,その典型的な例は《易経》に見られる。…

※「陰陽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

新華社

中華人民共和国の国営通信社。新華通訊社が正式名称。 1931年延安で創立され,48年北京に移り,現在は政府国務院新聞総署の管轄下にある。特に文化大革命以後は重要度が高まり,党と政府の発表はここを通じて...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

陰陽の関連情報